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都市環境委員会にて行政視察に行ってきました

2024年12月10日

こんにちは、山村まいです。

令和6年度に所属している都市環境委員会において、他自治体の事例を学ぶため視察に行ってきました!

ここでは都市環境委員会と、視察内容について簡単に紹介させていただきます^^

都市環境委員会とは

街づくり推進部、都市整備部、環境清掃部に関する事項を議題としています。

具体的には、都市計画の総合的な計画の策定および調査、 地区整備をすすめるための計画や調整、木密エリアの不燃化対策や街づくり、 道路・河川・公園等の管理、河川の水質改善、建築物の確認、住宅支援、豪雨対策、環境基本計画の推進、エコプラザ・エコライフめぐろ推進協会への関与、環境美化、地球温暖化対策の計画や推進、公害対策、環境リサイクル事業、清掃事業(ゴミや資源の回収)など。

シニア世代も、現役世代も、子どもも、すべての世代の人にとって関係のある、とても身近な内容がテーマとなっています!

都市環境委員会の行政視察

どの常任委員会も同じですが、目黒区においては毎年10月頃に2泊3日にて行政視察を組んでいます。

視察内容は委員会の議案に関連するもので、春ごろに各委員から希望の視察先と内容のアンケートをとり、その内容を参考にしながら、希望日程にて受け入れていくれる自治体を確認し、2泊3日の行程に収まりそうなスケジュールを組みます。(具体的に視察先を決めていくのは委員長と副委員長、そして区議会事務局となりますが、なかなか調整は大変なようです)

令和6年度の都市環境委員会においては、「Park-PFI」「一人一花運動」「既存設備のZEB化」「オーバーツーリズムに伴う環境負荷等への対応」「臨海3Rステーション」といったテーマについて視察してまいりました。

①福岡県 北九州市「Park-PFI」

日本初のPark-PFIとして2018年にコメダ珈琲店を開業した後、複数のPark-PFI事業を展開されている北九州市。

※Park-PFIとは、公園内で売店やレストランなどを設置または管理する民間事業者を公募により選定する手続き。事業者が売店等の収益を公園整備に還元することを条件に、事業者には都市公園法の特例措置が適用される仕組み。(ざっくり言うと、公園整備に民間事業者のチカラを借りることで公園の魅力UPと行政負担の軽減を図る制度)

勝山公園コメダ珈琲店。公園利用者のための憩いスペースやトイレが設置されています。

主に、このような話を伺ってきました↓

〇日本初の事例であったため、基本協定書を1から作成しなければならなかったことに苦労した。いまはPark-PFIの事例も増えているから、これから始める自治体にとって資料作成の労力は少ないのではと思う。

〇市内さまざまな公園にてPark-PFIの活用を検討したが、事業を具体的に進めるなかで断念した公園もある。やはり公園によって適/不適があるので、途中段階での見極めも必要だと考える。

〇北九州市の場合の適/不適は、やはり収益の問題。ある程度の広さのある公園ではないと採算がとれないので民間事業が来ない。(その点、目黒区であれば民間事業者も来てくれやすいのでは)

②福岡県 福岡市「一人一花運動」

2018年1月から「一人一花運動」をスタートさせた福岡県福岡市。

主に、このような話を伺ってきました↓

〇リパッケージして統一!(以前も各部署において緑を増やす政策はやっていたが、改めて分かりやすい言葉と華やかなロゴを作り、参加したくなる土壌を形成するとともに、公園・道路・地域コミュニティなど複数の部局で連携し、全庁で統一することで分かりやすさをアップ)

〇「緑 “の” まちづくり」を「花 “で” 共創のまちづくり」と助詞をチェンジ!(従来は緑を増やすことだけを目的にしていたが、それでは緑が好きな人にしかピンと来ない。目的を「共創のまちづくりの実現」とし、花をツールとして捉えることに発想を転換。花をお世話することで、地域交流のフックになる。高齢者や若い世代の交流につながる)

〇押し付けない!(行政主体で進める事業はあまり持続しない。市民や企業が自主的にやりたいと思えるような事業にすることで持続可能で発展できる事業になる。行政側からアイデアを押し付けるのではなく、相手側からのアイデアを採り入れてメニューを増やしていった。先方が自主的に発信したくなるようなWin-Winの関係を目指している)

③福岡県 久留米市「既存設備のZEB化」

日本初の「既存設備のZEB化」認証を受けた福岡県久留米市。

※ZEBとは快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物。

ZEBにはランクがあり、高い順から「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB ready」「ZEB Oriented」があります。

主に、このような話を伺ってきました↓

〇ボトムアップ型によるZEB化実施の合意形成!(環境部だけでは対応は難しいと考え、有志でZEBチームを作り調査研究を実施。その後、庁内、特別職、議会に説明し実現)

〇空調改修のタイミングでのZEB化改修は投資効果が高い!(維持管理でお金が特にかかるのは空調。断熱できれば空調にかかる費用を小さくできる)

〇ZEB化の選定基準 ①空調改修が必要なタイミング ②長期的な活用が予定されている ③すでに団設性能が比較的高い建物のほうが有利。

〇標準改修/ZEBready/ZEB(蓄電池なし)/ZEB(蓄電池あり)といったケース別にイニシャルコストとランニングコストを比較すると、国庫補助を含まない場合にはZEBreadyが最も低コストとなった。

〇当時はZEB化による国庫補助金があったが、現在はかなり制限されてしまっていて小規模な自治体ではないと貰えない。

〇電気、ガス、エネルギーについて一括して計画する部局があると良いと思う。

④福岡県 太宰府市「オーバーツーリズムに伴う環境負荷等への対応」

太宰府天満宮に多くの外国人観光客が訪れる福岡県太宰府市。オーバーツーリズムに伴う交通渋滞やゴミ問題への対応について伺いました。

太宰府市の楠田市長とパシャリ。

主に、このような話を伺ってきました↓

〇西日本鉄道と包括連携し、2020年より人事交流をスタート。

〇ゴミ回収にかかる費用は年間2千万円。ゴミ箱「スマGO」設置も考えたが、そもそもの解決ではないと考え、まずは外国人観光客へのマナー定着を目指してリーフレットや啓発動画を作成。

〇ゴミは参道事業者に協力(店舗で回収する等)してもらう仕組みを構築。

〇駐車場の空/満をネットアプリで見えるようにしたり、天満宮入口にライブカメラを設置するなどして観光客の分散につなげたいと考えている。

⑤福岡県 福岡市「臨海3Rステーション」

3R(リデュース ごみの発生抑制・リユース 再使用・リサイクル 再資源化)を通じた資源循環を目指す施設であり、さまざまな体験を通して環境について感じて学ぶことができる施設を伺いました。

体験して学ぶことができるスペース、使わなくなった物を売買できるスペース(場所が広いので大型家具なども)、生き物が暮らすビオトープ、グランドゴルフができる原っぱなど潤沢なスペース&登録数100人ほどの意欲的なボランティアのチカラを存分に活用していて、とても魅力的な場所でした。

いつ来ても体験活動できる点が素晴らしい~♪

機織り機で使わなくなった糸や布を使って、オリジナルの布を織ることもできます。目黒区にはエコプラザという施設がありますので、そこにも「いつ来ても参加できる活動」があったら良いなぁと思いました。

まとめ

視察を受け入れてくださった自治体のみなさま、とても丁寧にご対応くださいまして本当にありがたい限りです。

自治体によって規模や状況も異なりますが、どういったところに苦労があり、どういったところが成功の秘訣か という話を聞くことができて大変参考になりました。

今後は目黒区政に意見を述べる立場の一員として、学びを活かしていきたいと思います^^

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