目黒区出身 公認会計士 目黒の未来を考える

山村 まい -Official Web Site-

目黒区 議会

評価は結果だけではなく判断理由も見たほうがいい

こんにちは、山村まいです。

11月8日開催の企画総務委員会において令和4年度男女平等・共同参画及び性の多様性尊重の推進に関する年次報告がありました。

「目黒区男女平等・共同参画及び性の多様性の尊重を推進する計画」の推進状況について、男女平等・共同参画審議会が評価した結果についての報告なのですが、

「なぜ、これで評価を下げるの??」と思う内容で、改めて「評価することの難しさ」を感じました。

令和4年度における評価

大項目4つに分けて評価されており、うち(3)(4)が前年度から評価が一段階ずつ下がりました。

(1)あらゆる分野における男女平等・共同参画の推進 ★★★

(2)ワーク・ライフ・バランスの進捗 ★★

(3)人権と性の多様性が尊重される社会の形成 ★★

(4)男女平等・共同参画及び性の多様性の尊重を推進する体制の強化 ★★★

(評価段階は5段階、★の数により表示)

単純にこれだけ見てしまうと、「目黒区はちゃんと活動してないのね」と誤解されてしまうかもしれませんが、そんなことはありません。

評価が下げられた理由

それでは(3)(4)の評価が下げられた理由について深堀りしてみます。

大項目(3)人権と性の多様性が尊重される社会の形成

大項目(3)のなかには中項目が5つあり、うち2つが新設、うち2つが前年度より評価が一段落ダウンしています。

(3-1)性差に関する意識の改革と理解促進 ★★★★(新設)

(3-2)配偶者等からの暴力の根絶及び被害者支援 ★★(一段階ダウン)

(3-3)女性への暴力やハラスメントの根絶 ★★(一段落ダウン)

(3-4)生涯を通じた包括的な健康支援 ★★★

(3-5)性の多様性を尊重する意識の醸成とLGBT支援 ★★★(新設)

中項目(3-2)配偶者等からの暴力の根絶及び被害者支援

・指標の目標値が「身体的暴力の被害経験者の割合ゼロ」

・区民意識調査においてパートナーからの身体的暴力があったと回答した人の割合は2.6%と大きな変化はなく、目標値であるゼロに近づいていない、DV相談件数は増加状況にあることから、評価は「不十分(★★)」とした。

・・・いやいやいや、ちょっと待って!そもそも目標値の設定がおかしくないですか?

被害者経験者の割合ゼロって目黒区の努力で変えられることではないですよね。むしろ啓発活動することで「あ、これってDVなんだ!」と認識できる人が増えていくものだと思います。目標値をゼロにするということは、「認識させないで黙らせとけ」ということに結び付くかと。。

割合がゼロに近づいてないから評価ダウンって、目黒区の活動を見てくれてない感じがして悲しいです。。

(目標値は目黒区ではなく審議会が設定しています)

中項目(3-3)女性への暴力やハラスメントの根絶

・指標の目標値が「セクシャルハラスメントの被害経験者の割合ゼロ」

・セクシャルハラスメントとの被害経験率の割合は8.6%と大きな変化はなく、目標値であるゼロに近づいていない、また相談件数は増加状況にあることから、評価は「不十分(★★)」とした。

・・・中項目(3-2)と同じく、目黒区の活動を見てくれてない感じがして悲しいです。。

大項目(4)男女平等・共同参画及び性の多様性の尊重を推進する体制の強化

大項目(4)のなかには中項目が4つあり、うち2つが前年度より評価が一段落アップ、うち1つが一段落ダウンしています。

(4-1)評価の推進体制の強化 ★★(一段階ダウン)

(4-2)けいかくの着実な進行管理 ★★★★

(4-3)区民、事業者等との連携 ★★★★(一段階アップ)

(4-4)国、東京都、他自治体との連携 ★★★★

(4-1)評価の推進体制の強化

・指標の目標値が「区の男女平等・共同参画関連施策をどれも知らない人の割合60%以下」&「目黒区男女平等・共同参画センターを知っている人の割合20%以上」

・施策や活動拠点を知らない人の割合がここ数年同水準レベルに停滞、あるいは拡大していることから、状況が改善され計画の推進体制が成果をあげているとは言い難く、評価は「不十分(★★)」とした。

・・・こちらについても評価ダウンは厳しいなと思いますが、前述の2つより納得感はあります。男女平等・共同参画センターは中目黒スクエア9階にあるのですが、なかなか足を踏み入れづらく、HPで調べてもよく分からない印象があるので、もう少しカジュアルな雰囲気を出してPRできたらいいかもしれません。

評価することの難しさ

わたしとしては目黒区は頑張ってくれていると思うので、今回の評価結果は悔しさを覚えました。

「すでに出来ていることは当たり前、もっと上を目指すべき!」という考えもありますが、すでに出来ていることを維持することも結構な努力が必要なんですよね。

すでに出来ていること、当たり前にやっていることに対しての評価を高くするという視点も大事ではないでしょうか。

評価にあたっては、活動している人のモチベーションを高める効果も考慮したいものです。

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