こんにちは、山村まいです。
目黒清掃工場の落成式に参加したり、NPO法人フローレンスさんから多胎児支援のお話を伺ったり、なんだかんだ7月も出歩いています→活動記録はコチラ
少し前の話になりますが、国への要望書として提案していた「遺族年金の受給要件見直し」について、目黒区議会でどのような顛末となったか報告いたします。
遺族年金の受給要件見直し 要望内容
遺族年金の受給要件見直しの要望内容(詳細は遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給要件 見直しの要望に記載)を簡単にまとめます。
(遺族厚生年金)男女差の撤廃
遺族基礎年金については平成26年度に男女差は撤廃された一方、遺族厚生年金については男女差が残っているため、こちらについても男女差を撤廃するよう要望します。
生計維持関係認定基準 判定時期の見直し
遺族基礎年金・遺族厚生年金いずれについても生計維持関係認定基準の判定が一度きり(死亡した前年の収入および所得)となっているため、年度毎に改めるよう要望します。
幼い子どもがいるため、パートナーが不在になることで従来の働き方ができなくなる(=収入が維持できずに下がる)可能性も多いに考えられますが、現状の判定基準では一度NGと判定されてしまうと、その後に収入が下がったとしても遺族年金の受給は認められていません。また反対に、一度OKと判定されれば、その後に収入が上昇したとしても遺族年金を受給し続けることができてしまい、あまりにも不平等なケースが両立してしまうことになります。
生計維持関係認定基準 金額の見直し
生計維持認定基準の金額(収入が850万円未満であること、または所得が655万5千円未満)については平成6年度の改正以降、変更がなされていません。当時の資料によると “所得分位10%にあたる者の推計” とのことでしたが、平成6年度から令和3年度にいたるまでの物価上昇率を考慮して金額基準も見直すよう要望します。
議会運営委員会にて各会派に諮られます
“目黒区議会”として国に要望書を出すためには目黒区議会の全会一致が必要となります。
まずは議会運営委員会にて各会派(3人以上の交渉会派のみ)にて要望書の内容が諮られます。
議会運営委員会に諮る前に、各会派に趣旨説明をさせていただきました。
自民/公明/共産/立憲いずれのみなさんも わりと良い反応を示してくださったので「これは出せるかも」と少し期待するわたし。
特に自民の河野陽子さんは「いい提案ね!」と力強く応援してくださったので励みになりました^^
また公明の関けんいちさんは優しく親身に聞いてくださる人柄に魅了されました(写真の強そうなイメージと、ほんわか優しい雰囲気とのギャップが素敵です)
全会一致は難しい!
自民/公明/共産/立憲いずれのみなさんも趣旨としては賛成の意を示してくれたわけですが、議会運営委員会において「党としてココは譲れないから、この箇所は削ってね!or 修正してね!」という修正依頼が入りました。
自民/立憲/公明のご意見
自民:金額基準は削除してね!
立憲:金額基準は削除してね!
公明:社会保険労務士さんに確認したから、より正確性の高い文書にしてね!
共産のご意見
遺族年金を貰い続ける、貰えないというケースを比べて不平等と言うのはオカシイ、そもそも金額基準(収入850万円)が低すぎるのが問題で、金額基準がもっと高ければ解消する話なのだから、「金額基準を上げるべき」をメインにして要望するべき。また遺族厚生年金の金額が本人基準の75%になるのも見直すべき。
アチラを立てればコチラが立たず
どの会派からの意見も単独で見たら「そうですよね」と思えるのですが、金額基準を削除するか、メインにするか、これについては両立できるはずもありません。
まとめ
遺族年金の受給要件見直しについて、目黒区議会から国に要望書を出すことは出来ませんでした。
残念ではありますが、会派や区議同士での協力関係は非常に重要なんだな と体感することができた良い経験ではありました。
7月28日には再来年の制度見直しに向けて厚生労働省の社会保障審議会・年金部会が開催されたようです。
「男女差撤廃」「配偶者などが亡くなった時の一時的な支援にすべき」等の指摘があるようなので、どちらかというと縮小方向に進むのかもしれません。
大人はともかく、遺された子どもには不利益がないような制度改革を望みます。