こんにちは、山村まいです。
6月23日(金)の企画総務委員会にて、陳情・請願の審査が行われました。
「陳情」とは実情を訴え、一定の措置を行うよう要望する行為で、そのうち議員が紹介する要望行為は「請願」となります。
陳情・請願いずれも審査するのは初でしたが、通常の委員会より更にピリッとした空気となっておりましたので その空気感だけ少しお伝えします。
※請願の内容は「被災者の家賃をめぐる裁判を取り下げ、謝罪を求める」というものですが、こちらについては裁判中=「司法の判断に委ねるべき」ものであり、内容の是非については語りません。
目黒区 被災者の家賃をめぐる裁判
裁判の経緯を簡単に紹介します。
・2011年3月 東日本大震災にて被災されたAさん夫妻が、応急仮設住宅として目黒区の区民住宅に避難(※もとの家賃は約19万円)
・2018年3月 災害救助法に基づく応急仮設住宅の提供は打ち切り(※宮城県が支援を停止)
・事前にAさん夫妻への退去を求めていたものの、闘病などを理由に退去せず。
・2021年7月 部屋の明け渡しと家賃支払いを求めて目黒区が提訴。
・提訴した後、慌てて被災者が退去(2022年9月?)
・支援打ち切り~退去までの家賃は約820万円
請願として審議されることになった経緯
被災者の家賃をめぐる裁判については2022年3月にネットニュースにも取り上げられ、そのニュースを見た区民が「被災者が可哀想だ」と思い、「被災者の家賃をめぐる裁判を取り下げ、謝罪を求める」運動をされているようです。
これまでも「被災者の家賃をめぐる裁判を取り下げ、謝罪を求める」陳情を5回出しています。
しかし「司法での判断に委ねている」状態ですので、陳情は審議されず。
“陳情”がダメなら、“請願”だ!
※目黒区においては、陳情については議会運営委員会にて 審議するか否か 判断されるものの、請願は必ず 審議する と決まっているため。
ということで、このたび れいわ新選組 こいでまあり区議が紹介議員となって請願として目黒区議会に付託されたという流れなのであります。
委員会での審議の様子
紹介議員こいでまあり区議 の質疑
紹介議員である こいでまあり区議が 証人として召喚されました。
被災者ご本人と面識がある・・・という訳ではなく、被災者が可哀想だと思う陳情者からの依頼をうけての請願というお話で、そんなに関係が近いわけではないから細かい質問しても答えられないだろうなぁ と思って様子を見ておりましたところ、
企画総務委員会の委員たち(=先輩区議たち)、かなり鋭い質問をズバズバッと こいでまあり区議に投げかけていくではありませんか!!
「国土交通省の通知の内容については具体的に何を指すのか、目黒区が通知に従わなかったと断言できるのか?」
「なぜ都市整備事業概要を見て区営住宅に空きはあったと断言できるのか?」
「立法権、行政権、司法権の三権分立について理解しているのか?」
「裁判によって事実を明るみにすることができるのに、その裁判を取り下げてしまったら全てが有耶無耶になってしまうがその方が良いと思っているのか?」
「裁判を取り下げることは、本来は妥当と判断されたかもしれない債権放棄することになり、それも適切な行政執行とはいえないのではないか?」
「何か新しい情報が手に入った訳でもなく、これまでの区議会が怠慢であった、誤っていたとして請願される根拠は何なのか?」
などなど・・・なかなか 重苦しい時間が流れておりました。
いや しかし、みなさまの仰る通りだと思いました。。
区役所との質疑
「司法の判断に委ねるべき」ということで、内容についての回答はできず ということでした。
請願の採択/不採択について
共産党 松嶋委員のみ 採択、他はみなさん 不採択 ということで、不採択となりました。
まとめ
今回のように議員が紹介する「請願」は珍しいケースのようです。
「陳情」「請願」いずれも傍聴席に出願したみなさんが座っているので、そのプレッシャーもなかなか。
委員会はビシバシと厳しい質疑が繰り広げられ、本会議とはまた違った様子となっています。
ではでは、また。