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山村 まい -Official Web Site-

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区民センター&下目黒小学校の建替計画、PFIありきでガンガン進んでるけど本当に大丈夫?

2023年6月27日

こんにちは、山村まいです。

ひっそり数年前から区民センター&下目黒小学校の建替計画が進められているの、ご存知でしたか?

わたしは地元にいながら「区民センター&下目黒小学校の建替計画か~。(内容よく知らないけど)新しくなるのは嬉しいな~」くらいしか認識していませんでした。

「美術館を解体してマンションを建設するなんて反対!」というご意見を頂いたり、特別委員会にて計画概要を知るにつれて、「あれ?この計画って大丈夫?」と少しずつ不安が高まっています。

すでにもう意見募集のラストチャンスということで、みなさんにも是非 知っていただければと思っています。

区民センター&下目黒小学校の建替計画

区民センター基本計画の素案

区民センター基本計画の素案については目黒区HPにて公開されており、これまでも説明会を実施したり、意見募集を行ってきたようです。

といっても説明会に参加したや意見を出した人は数百人。

どこまで地元に周知されているのか?というと、周囲に話を聞いたところでは「関心を持っている僅かな人だけ」という印象 。

これは 区役所が悪い という話ではなくて、下目黒/目黒エリアは マンションが多い・定住者が少ない・地元への関心薄い 層が多いエリア という特徴があるからなのかもしれません。

区民センター基本計画 ざっくり概要

区民センター基本計画の素案はボリュームたっぷりで読むには大変なので、ざっくり概要を説明します。

① 区民センター・図書館・美術館・プール・公園・テニスコート・下目黒小学校 ぜんぶつぶして一体的に建替

② プールは管理費が高いので減らし、一般用と学校用は共用プールとする

③ PFI手法として民間事業の資金・企画力・経営力を借りる

④ 70m高層ビルを建てて、区民センター&図書館&美術館&プール&民間事業(マンション?)★何になるかは事業者次第

⑤ 公園敷地内に体育館を建てる。アーチェリーや卓球は専門部屋はなくして体育館共有施設で仕切る形にする。テニスコートは体育館の屋上か、地上に。★何をどう作るかは事業者次第

⑥ 公園敷地内に何かを作る。★何をどう作るかは事業者次第

→ つまり、「PFIやります!」と手を挙げた事業者次第という計画になっています。

PFI手法(Private Finance Initiative)とは?

PFIとは民間資金を活用した手法

内閣府HPでの説明です↓

PFIとは公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法であり、民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの提供を目指します。

日本においては「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)が平成11年7月に制定され、平成12年3月にPFIの理念とその実現のための方法を示す「基本方針」が、民間資金等活用事業推進委員会(PFI推進委員会)の議を経て、内閣総理大臣によって策定され、PFI事業の枠組みが設けられました。

PFIの事例

渋谷区 宮下公園

渋谷駅近くの宮下公園。3階建ての商業施設の屋上に公園を設置する形で再整備。事業者は三井不動産。屋上にはスケート場、ボルダリングウォール、サンドコートが整備されています。

整備前は、スケート場、ボルダリングウォール(このときはロープクライミングもできた)、フットサルコートがありまして、私もクライミングやフットサルを目的に遊びに行っていましたが、整備後はロープクライミングもフットサルも出来なくなったのが少し残念。。サンドコートなんて必要?とか思ったり。まぁ渋谷駅近くなので商業施設としての価値が高いというのはポイントだと思います。

渋谷区 恵比寿南一公園

恵比寿ガーデンプレイス近くの公園。以前はバナナすべり台、ブランコ、健康器具、ネットに囲まれたボールゾーンがある人気公園でした。整備後は泥んこで遊べるプレーパーク、2階建ての商業施設(1階がカフェ、2階がペット向けホテル等のサービス)。事業者はサッポロ不動産。

ここはオープンしてから大不評で、グーグルマップやTwitterの口コミでも「前のほうが良かった、なぜ壊したのか」という意見が多くみられました。オープン当初はプレーパークに人が見る場面はあまり見られませんでした。最近は少し人が増えてきたかもしれません。

そして「子どもたちが泥んこで遊ぶ」というテーマと「ペットの遊び場」は衛生上 相容れないように素人目には思いました。1階にあったペット同伴可カフェは潰れたようです。

PFI × パーク あまりイケてない?

個人的には渋谷区の事例はイケてるとは思えません。公園の機能としては前のほうが良かったのでは?無理にやる必要あった?と思います。

(とはいえ、あくまでも私の感想ですし、お金の面については成功しているかもしれないのでもう少し詳しく調べてみたいと思います)

PFI 破綻事例

タラソ福岡など、事業計画の見通しの甘さにより事業者が経営破綻したという事例も起きています。

PFI事業者が三井不動産やサッポロ不動産のような大手デベロッパーであれば経営破綻の危機は少ないとは思いますが。

PFIありきで計画を進めている目黒区

既存施設で古くなったものだけ建替えるのはダメなのか?

ドカーンと全部つぶして一体としてPFI 建替計画ということですが、古くなった施設を新しく建替える、公園敷地内の配置を少し変えてプレーパークや遊具を増やす くらいの改造ではダメなのでしょうか?

区役所や区議会としては「これまでも散々 議論してきたのに、なにをいまさら・・・」という雰囲気ではありますが、地元民からするとやはり「え?PFIとか必要?」という感覚にはなります。

PFIありきの計画に区議会の大半は賛成している状況

PFIありきの計画に反対しているのは 共産党・れいわ 議員。

(委員会に入っていない無会派のみなさんは不明ですが、白川愛さんも美術館解体に反対を表明されています)

まとめ

地元民の立場として率直な意見を言うと、「コスト削減のためにPFIとするのではなく、目黒区が主体となって開発を計画し、運営してほしい」「既存施設を活かして、古いものだけ新しく建て直す。」「公園ゾーンについてはプレーパークや遊具を増やす工夫をする」として欲しいと思っています。

ただし大半の区議はPFIありきの現在の計画を良しとしており、わたしが所属する会派(めぐろの未来をつくる会)においても現在の計画を良しとするメンバーが多数いることから、なんとも意見出しが難しいな…とモヤモヤしています。

そして区議が意見出しをしたところで、この大きなうねりを変えることは難しい・・・これは区長レベルではないと無理ではないか・・・

また自分自身、過去の特別委員会での議論をすべて把握できているわけではないので判断しがたいという葛藤もあります。

ようやく落ち着いた時間が取れるようになってきましたので、過去の特別委員会での議論を読み込んでみるつもりです。

6月18日追記

過去の委員会資料、(ざっくりですが)やっと全て読み終わりました。

この4年間での区役所と委員会では丁寧に検討を重ねてきたということは良く分かりました。

・改修か、建替か?手法はどうするか、国や都から補助金とってくるのか、民間の活力を得るのか?→ PFI手法に落ち着いた

・当初の建築基準(20m)だと現在の区民センター38mも不適格であるが、建築基準を見直すといった大胆な発想も必要ではないか? → 周辺道路なども一体的に見直し70m建築OKにできるよう整理した

・地元民や利用者からは元の状態を残してほしいといった意見も多々出るだろうとも予想されるが、目黒区としては 区有施設のリーティングプロジェクト と位置付けて、区の保有している土地や財源を有効活用しながら効果を最大限発揮していくんだ という意志を持って、既存の機能をすべて持っていくということに捉われず、柔軟な発想で色々と取り組んでほしい。

・民間にとっても “やる価値” がなければ参画してくれないわけで、あまり区から “この機能は絶対残す” という条件などがありすぎても、民間が遠のく可能性もある。

まぁやはり いまさら方針転換なんて無理だよ という気配濃厚です。一方で、令和元年度からの意見募集では

「現在の区民センターは緑豊かで目黒川ぞいの桜や美術館など情緒性に富み、のどかな感じがとても良いと思います。近代化、大型化、商業化でどこも同じ様な雰囲気のビルばかりで味けない、目黒はそんなふうになってほしくないです」

というものあるんですよね。私も同じ気持ちです。近代的な建物がドカーンと建つのは味気ない。

PFIの場合にかかる費用と、すべて自前での建替&改修の費用との比較があると分かりやすいなと思いますが、それは見つからず。また確認できたら追記します。

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