岸田首相が年頭あいさつで述べた「異次元の少子化対策」。
2023年3月末までに対策のたたき台を作成する方針とのことですが、一体その内容はどういうものでしょうか。
議論が検討されている少子化対策3つの柱について記録しておきたいと思います。
1)児童手当など経済的支援の強化
現在の児童手当
所得制限に該当しない家庭の場合には3歳未満と小学生までの第3子以降が月額15,000円、3歳から小学生の第2子までと中学生は月10,000円が支給されています。総額規模は年間2兆円。2010年導入当初は世帯主の所得制限はありませんでしたが、おおむね収入1,071万円以上になると児童手当は一切もらえないことになっています。
児童手当の論点
①対象年齢を拡大して18歳まで支給、②他子世帯への加算として第2子は3万円、第3子は6万円を支給、③所得制限を撤廃 という論点が出ているようです。児童手当の導入と引き換えに年少扶養控除を廃止した以上、③所得制限の撤廃は当然やるべき と思います。もしくは年少扶養控除を元に戻してください。そして「児童手当を拡大します!」が一時的であっては困りますので、継続するという確固たる意思表示を示していただきたいと思います。子どもが育つまで18年はかかるわけですから数年だけ拡大されたって意味ありません。これまでのコロコロと変更がされてきた児童手当の変遷を見てると、継続性に疑義を抱く人のほうが多いでしょう…。
2)学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充
保育士の配置基準見直し
現在の保育士配置基準では、0歳児は3人、1歳~2歳児は6人、3歳児は20人、4歳~5歳児は30人につき保育士1人となっています。これ、本当に無理があるんですよね。この配置基準では子どもたち1人1人に目は届きません。まだ一人でトイレに行けない子どもが「トイレに行きたい」と先生に伝えても、先生もトイレに連れていくような余裕も持てません。環境のせいで起きてしまう虐待もあるだろうと思います。ぜひ配置基準見直しは対応していただきたい!!
未就園児の一時預かり
保育園や幼稚園に通っていない無園児については、親が子育てで疲弊することも多く、虐待につながる恐れもあると言われています。無園児の受け皿として、そして保育園の定員に満たない分の収益確保として、保育園の一時預かりをしてはどうか という話のようです。
これはですね、「定員が空いてるなら、その人数は他の子を預かれるだろ?」って保育のこと、子どものこと、完全に舐めてるな と感じます。
ずっと一緒に過ごしている子たちだから安心して過ごせているわけで、普段 全然通ってない子がポンと入ってきたらどうなるか・・・子どもを育ててる人なら想像つきますよね。以前子どもが通っていた保育園では一時保育で他のお子さんを預かることもあったのですが、大泣きor 呆然として独りぼっち で保育士の先生かかりきりでした。週2日とかの定期預かりなら良いと思いますが、一時預かりで保育園を利用というのは子どもにとっても保育園にとっても結構キツイものがあります。やるならベビーシッター補助が良いのでは?
保育園無償化の拡大
保育園無償化は意味ないですって!子どもを育てるうえで教育費が心配になるのは幼児期ではないんです!!中学・高校・大学にかかる教育費のほうをどうにかしてくれないと意味がないですよーーー!!!保育園は無償化せず、むしろお金を貰って、保育の質を高めたほうが良いと思います。
3)働き方改革の推進
自営業・フリーランスへの給付支援
自営業・フリーランスには育児休業給付金が支給されないので、こちらを支給対象に含めようという話です。これは是非やっていただきたいですね。
時短勤務への給与上乗せ
通常、子育てを理由に時短勤務にすると時間短縮分だけ給与が減額されますが、その減額分を補填しよう という話です。これ、時短勤務をしていた当事者としては要らないと思います。時短なのに給与減額されないってことは、給与減額しないんだから当然 出産前と同じ働きできるよね?時短でも出来るよね??というプレッシャーが強くなりそうで、むしろ怖いです。
長時間労働の是正
男性の育児参加率が高まれば第2子が生まれやすい、ということで、長時間労働を是正する働き方改革も進めたいという話です。これは良いと思います。
まとめ
ほぼ乳幼児のことばかりでしたが、子育てするにあたっての心配ごとは教育費に尽きると思いますので、中高大の教育費がまったく論点に入っていないのは残念でした。
一時的なバラマキ政策はお金の無駄でしかないので、費用対効果を見て検討していただきたいと思います。