息子は生まれたときから、
“音に敏感” “洋服のタグが気になる”
“寝付きにくい” “こだわりが強い”
“電車などを長時間ずーっと見続ける”
“怖がり” “新しいことへの挑戦は苦手”
といった特性を持っており、まぁ集団生活は得意ではないだろうな と予想されるタイプの子どもでした。
0歳から通っている保育園でも「保育園イヤ」と行き渋りがありつつも、
まぁ子どもなんて そんなものかな と4年間通わせ続けていました。
最終的に激しい登園拒否と母子分離不安を発症。
ようやく「この子は安心して生活できていないんだ」と自覚した私。
登園拒否は子どものSOSなのだと、今になると分かります。
登園拒否は子も親もツライ!
登園拒否は子どもは当然のことながら、親もツライ想いをすることになります。「仕事があるから仕方ないでしょ」と、子どもを無理に預けることもありました。子どもは悲痛な顔で泣き叫びます。自分が虐待しているような気持ちになります。
「対応が甘い」と責められる親
「お母さん、子どもが泣いていても、とっとと帰ってください!」と、先生方にはよく言われました。
子どもから「夕方に〇〇君から〇〇されて怖かった」「〇〇先生も怖い」という話を聞いて先生に相談したところ、「そんなことはないと思うんですが・・・お子さんの勘違いでは?」と言われてしまったり。
「お母さんが甘い対応をしているから、登園拒否が起きているんですよ」と暗に責められるのは辛いものでした。自分の対応が悪いのかな・・・と自信がなくなり、親である私も精神的に追い詰められました。
仕事との両立に頭を悩ませる親
「お母さん、そんなに保育園休ませて仕事 大丈夫なの?」と先生方に言われましたが、大丈夫な訳ではありません。かなり無理をしていました。日中は子どもの相手をして(不安定になっているので、いつも以上にベッタリ&かんしゃくモード)、朝や夜に仕事のフォローをする生活。仕事からのプレッシャーで心がつぶれそうでした。
登園拒否の理由を伝えられない子ども
子どもに「保育園の何がイヤ?」と聞いてはみるものの、聞かれたときに理由を伝えるのは難しいようでした。日常でポロリと呟く言葉(「夕方に〇〇君に背中をバンバンたたかれたの怖かった」「夕方は〇〇先生も怖いんだよ」)を丁寧に拾うことで、なんとなく理由を推理するしかありません。
「イヤなことがあったら先生に相談するのはどう?」と提案はしてみたものの、先生には自分から話しかけられない とのこと。
子どもの人数が多くて、先生たちは忙しく、大人しいタイプの子どもは先生との信頼関係が築けていないようでした。
登園拒否と心のダメージ
「預けた後は平気そうですよ」は本当か?
「お母さんが帰った後は、平気そうにしてましたよ」と先生に掛けられる言葉。子どもに聞いてみると、「ずっとママに会いたいって悲しい気持ちだったよ。ずっと早く帰りたいって思ってたの」とのこと。先生たちはクラス運営に忙しくて一人ひとりに向き合う時間はとれないのでしょう。子どもを安心させること、子どもの気持ちを読み取ること までの余裕を持つことは難しそうに見えました。
登園拒否したときは心の限界
初めて通う保育園での登園拒否は、まだ慣れていないから起こるもの。でも、ずっと通いなれている保育園での登園拒否は、心の限界が来てるから起きるもの ではないでしょうか。息子の場合は限界が来ていたようで、保育園だけではなく、家にいるときも今までとは全く違う不安定な状態になってしまったのでした。
母子分離不安・・・ドアを蹴る!
ママと離れてパパとお出かけ。以前は楽しくできていたことが、できない。ママから一時も離れられない。離れるのが怖い! という状態になってしまった息子。どうしても会社に資料を見に行きたいから とママだけで出掛けると、「イヤだーーーーー!!!!」とドアをガンガン蹴る殴るの興奮状態。こんなことは今までなかったのに…と私も夫も驚愕。激しい母子分離不安が解消されるまで、1カ月以上の時間を要することになりました。
登園拒否から回復にいたるまで
まずは心の回復を図る
他の保育園への転園を考えましたが、精神的に不安定であったため見学も難しい状況でしたので、まずはのんびり過ごして心の回復を図りました。家で自由に過ごしているうちに少しずつ元気を取り戻し、電車スタンプラリーの旅などに出掛けられるようになりました。
療育機関などに相談
親だけで保育園に見学にいったり、療育機関などにも相談に伺いました。
いろいろな方に相談に乗っていただいた際、共通していたのは「前の保育園では、先生との信頼関係が築けていなかったように見える。まずは先生と信頼関係は結べる ということを経験することが大事」という回答でした。
「他にも通える場所はある」ことを伝える
子どもが落ち着いたところで、保育園や幼稚園など、他にも通える場所はあるんだよ ということを伝えました。まだ親も子も「どこなら安心できるのか?」が分からずに迷走してしまったなとも思いますが、実際にいくつか保育園や幼稚園に通わせていただき、いろいろ選択肢はあるんだ ということを親子ともども学びました。
転園後、再び通えるように
新しい環境選びについては、親のほうが迷走してしまったこともあり、「ここにしよう!」と心を決めるまで時間を要してしまいました。そのぶん、とても納得のできる決断にもなったと思います(当時、とても余裕がなく、関係者のみなさまにはご迷惑をおかけしてしまったことも多々あったと思います)
先生との信頼関係を築くこと
「先生との信頼関係を築くこと」を軸に考えると、先生が落ち着いて子どもたちと向き合えるような環境である必要があります。なるべく少人数で、ゆったりしているところが望ましい。運良く、先生が子どもたちと落ち着いて向き合ってくれる保育園に入ることができました。これまで“先生に甘える”姿を見たことはありませんでしたが、転園後は先生のひざに乗ったりと“先生に甘える”姿が見られて本当に驚きました。
無理強いしないスタンスで安心できた
保育園に転園したときは場面緘黙症で言葉が発せなくなっていた息子。発語を無理強いせず、「言葉の代わりに手や指のジェスチャーで伝えてね!」と優しく対応してくださった先生。苦手なトイレも、他の子に見られないようにと配慮しながら対応してくださったおかげで、少しずつ新しい保育園に慣れていくことができました。1~2か月ほどして、お喋りできるようになった息子。お友だちとの交流も楽しくなってきたようです。
自ら「やる!」 主体性を大事に
苦手なことや、気が乗らないことは、やりたくない息子。強制的にやらされることはなく自分で選択できることに安心しているようです。無理やり「やって」と強制されたものはキライになってしまうもの。おかげさまで強制がなくなった今は、前よりも好きなものが増えてきました。
まとめ
我が家の登園拒否~ふたたび保育園に通えるようになるまでを振り返ってみました。
子どもに登園拒否されると親としては困ってしまうものですが、
それは子どもからのSOSかもしれません。
子どもたちが安心できる環境を作っていきたいと思います。